伊藤 暖『住み手の嗜好を反映するL字型住戸ユニットにより構成される集合住宅の設計』
個々の住み手がその嗜好を室内外のデザインに反映できることをテーマとした集合住宅の提案を行ったものである。敷地条件に依存せず、住戸の空間形式および住戸間の相互関係によって上記の特性が得られることを示すために、あえて敷地を一箇所に限定せず、都市(横浜市の都心部)及び郊外(逗子市の海岸沿い)の2敷地を選定して設計の提案が行われていること、また、他者との共有の概念を伴う「推し」というキーワードで住み手の嗜好を捉え、設計の内容に反映していることに特徴がある。設計者と住み手による住空間の評価の違いに着目し、住み手による「推し」という概念を導き、その知見を生かして具体的な建築・空間の試案を提示している。