2030年のゼロエネルギー住宅(ZEH)を目指してアイデアを競う「エネマネハウス2015」のために、産学連携のチームで実施したプロジェクト。関東学院大学のGREEN HAT 2030は、ZEHを実現する上で最も重要な要素である「超高断熱化」と「太陽光発電」に対する、抜本的な提案である。
透明断熱材を利用して「光を透過する構造壁」と「断熱引戸」を作ることで、一般的に相反する超高断熱化と自然採光を両立し、また、これまでの太陽光パネルが発電以外に役立っていないことへの疑問から、パネルを夏季の日射熱遮蔽用ルーバーとしても機能させつつ、雨水を灌水して発電効率を上げることを試みた。
「新しい庭付き一戸建」を目指した本計画は、高価な設備機器や特殊な材料だけに頼らず、伝統的な知恵や、既に存在する技術の潜在的価値に注目し、それらを新たな発想で組み合わせた、2030年に向けた「普通の家」の提案である。